アートプロジェクトの0123『レクチャーコース※お申込み締め切りました

アートプロジェクトの0123『レクチャーコース』(全10回)※お申込み締め切りました

アートプロジェクトの意義を学びアーティストの実践を知るコースです。

日時:10月11日〜2023年2月21日(原則として隔週火曜日)、午後7時30分開講
定員:50名(原則としてオンライン受講、一部対面受講あり)
受講料:一般2万5000円、学生1万5000円 *学生証の提示が必要
講師(登壇順):
小川希(Art Center Ongoing代表/Teraccollective理事)
卯城竜太(アーティスト/Chim↑Pom from Smappa!Group)
天野太郎(東京オペラシティアートギャラリー チーフ・キュレーター)
和多利浩一(ワタリウム美術館CEO、キュレーター)
松村圭一郎(岡山大学准教授/文化人類学)
毒山凡太朗(アーティスト)
山峰潤也(キュレーター)
百瀬文(アーティスト)
宮津大輔(アート・コレクター/横浜美術大学教授)
トモトシ(インディペンデントアーティスト)
※見逃し配信を予定しています。対面での講義は型コロナウイルスの感染状況によって変更になることがあります。

アートプロジェクトの0123『レクチャーコース』の主眼

現代の美術の潮流を理解するため、各回で異なるテーマを設けて具体例をもとに学習します。また、現在進行形で活躍するアーティストや キュレーター、有識者をゲスト講師として招いて、彼らの作品や活動および考えについて 直接話を聴くことで、いま求められるアートプロジェクトのあり方を考えます。

講座内容・講師の紹介

第1回 2022.10.11(火)
アートマーケットとアートアクティビズムの対立を超えて

Art Center Ongoingの小川希代表による本連続講座の基調講義です。「現在進行形の実験的な表現を追求できる場」としての芸術複合施設運営を基盤とするアートプロジェクトのつくり方を聞きます。また昨年度の欧州滞在調査でみえたマーケットとアクティビズムの対立について知見を披露してもらいます。

小川希(Art Center Ongoing代表 / Teraccollective理事)

2002年から5年間、東京や横浜の各所で若手アーティストが参加する大規模公募展Ongoingを年1回のペースで企画開催。独自の公募・互選システムによって生まれた数百名にのぼる若手アーティストネットワークを基盤に、既存の価値にとらわれない新しい文化の試みを実践し発信する場として2008年、東京・吉祥寺に芸術複合施設 Art Center Ongoing を設立。また、JR中央線高円寺から国分寺を舞台としたアートプロジェクト TERATOTERAのディレクターとしても活躍。2016年、国際交流基金アジアフェローシップとして、東南アジア9カ国に点在する83カ所のアートスペースをリサーチ。2021年度、文化庁の支援を受けてオーストリア・ウィーンを拠点に、現地のアートスペースを調査研究。


第2回 2022.10.25(火)
アートとしてのアクションとコレクティヴィズム

卯城竜太さんは、新著『活動芸術論』で、アクションを行為・行動・活動と読み、実行するなかで育んだアートのことを深く掘り下げています。卯城さんが手がけてきた様々なコレクティブ(協働)やアクション、プロジェクトの実践を解剖。また、Chim↑Pom改名の背景などをお話しいただきます。

卯城竜太(アーティスト/ Chim↑Pom from Smappa!Group)

Photo by みなみあさみ

Chim↑Pom from Smappa!Groupのメンバー。2005年に東京で結成されたアーティストコレクティブ。時代のリアルを追究し、現代社会に全力で介入したメッセージの強い作品を次々と発表。世界中の展覧会に参加するだけでなく、自らもさまざまなプロジェクトを展開する。
主な個展に「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」(森美術館、東京、2022)や「Threat of Peace」(Art In General、ニューヨーク、2019)など国内外で多数開催。
また、ソロとしてはオーガナイザーとしての活動の他、執筆などを続けている。
主な著書に「活動芸術論」(イーストプレス、2020)、「公の時代」(松田修との共著、朝日出版、2019)。


第3回 2022.11.8(火)
国際的アートプロジェクトの舞台裏

天野太郎さんは美術館などでキュレーターとして活動し、横浜トリエンナーレなど様々な国際展に関わってきました。コロナ禍で中止になった札幌国際芸術祭ではディレクターを務め、今年の「ドクメンタ15」では日本から参加したコレクティブを支援しています。そうした立場から見た、国際的な美術館の動きやアートプロジェクトの舞台裏について語っていただきます。

天野太郎(東京オペラシティアートギャラリー チーフ・キュレーター)

東京オペラシティアートギャラリー チーフ・キュレーター
一般社団法人somethinglikethis理事長
多摩美術大学、女子美術大学等の非常勤講師。美術評論家連盟所属。北海道立近代美術館勤務を経て、1987年より横浜美術館、2015年より横浜市民ギャラリーあざみ野で、国内外における数々の展覧会企画に携わる。
主な展覧会として「戦後日本の前衛美術」(93)、「ロバート・フランク:ムーヴィング゙・アウト」(95)、「ルイーズ・ブルジョワ」(97)、「考えたときには、もう目の前にはない-石川竜一」(2016)などを企画。「横浜トリエンナ一レ2005」でキュレーター(2011年、2014年はキュレトリアル・ヘッド)を、2018年から2021まで札幌国際芸術祭2020統括ディレクター。


第4回 2022.11.22(火)
青山から牡鹿半島へ―私設美術館の〈持続する志〉

東京・青山のワタリウム美術館は1990年に開館した私設美術館。和多利浩一さんが姉で館長の恵津子さんとともに独力で運営しています。その展示はヨーゼフ・ボイスやナムジュン・パイクをはじめとする現代アートから、ルドルフ・シュタイナーや鈴木大拙といった思想家にも及びます。近年は「Reborn-Art Festival」「水の波紋展2021」など野外でのプロジェクトにも積極的に関わっています。その〈持続する志〉についてうかがいます。

和多利浩一(ワタリウム美術館CEO、キュレーター)

東京都渋谷区出身。1980年オンサンデーズ設立。美術書籍の出版社イッシプレス設立後、1990年ワタリウム美術館を開設。ドイツの「ドクメンタ9」(1992年)で初の日本人スタッフ、第1回南アフリカ・ヨハネスブルグ・ビエンナーレ(1995年)で日本代表コミッショナーを務めるなど国内外で活動。青山キラー通り商店会会長、原宿地区商店会連合会会長、原宿神宮前まちづくり協議会代表幹事なども務め、街づくりに貢献してきた。2017年から姉、恵津子と参画した宮城県・石巻での「Reborn Art Festival」で活動。2021年はオリンピック開催を文化の面から盛り上げるために、「パビリオントウキョウ2020」と「水の波紋展2021」を東京都と開催。著書に『夢みる美術館計画 ワタリウム美術館の仕事術』など。


第5回 2022.12.5(月)
コレクティブとは何か?―人類学からの考察

アート界では集団でプロジェクトを興すコレクティブ方式が隆盛を誇っています。そもそもコレクティブとは何か? 既存のアートとは何が違って、どんな可能性があるのか? アートと現実社会との関係は? などの疑問を、人類学の見地から松村圭一郎さんに解き明かしてもらいます。

松村圭一郎(岡山大学准教授/文化人類学)

文化人類学者。著書に『所有と分配の人類学』(世界思想社)、『うしろめたさの人類学』(ミシマ社)、『くらしのアナキズム』(ミシマ社)、『はみだしの人類学』(NHK出版)など、共編著に『文化人類学の思考法』(世界思想社)、『働くことの人類学』(黒鳥社)。東京ドキュメンタリー映画祭2018の短編部門で『マッガビット~雨を待つ季節』、 同映画祭2020の特集「映像の民族誌」で『アッバ・オリの一日』が上映される。


第6回 2022.12.20(火)
東アジアの災厄をたどる旅からみえるものは何か?

東日本大震災の原発事故をきっかけに作家活動をはじめた毒山凡太朗さんは、世界各地で教育と戦争の痕跡をたどる旅をつづけています。そこから作品へと結実する過程を聞きます。また、東京電力福島第一原発事故被災地を巡るツアープロジェクト「IGENE」について、困難と意義を伺います。

毒山凡太朗(アーティスト)

福島県生まれ / 東京拠点
2011年3月11日に発生した東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故によって、故郷である福島の状況が一変したことをきっかけに作品制作を開始。時代や社会状況に翻弄され忘れ去られた過去の記憶や場所、現代社会で見えにくくなっている問題や事象を現地に赴き滞在調査し、映像やインスタレーションを制作している。
主なプロジェクト・展覧会に、2021年〜「ツアープロジェクトIGENE」(復興拠点ほか、福島)、2020年「SAKURA」(LEESAYA、東京)、2019年「あいちトリエンナーレ2019 : 情の時代」(愛知)、「六本木クロッシング2019:つないでみる」(森美術館、東京)、「東京計画2019 Vol.1:Rent Tokyo」(gallery αM、東京)、2018年「Public Archive」(青山目黒、東京)など。


第7回 2023.1.10(火)
美術と資本主義の関係

公立美術館のキュレーターから独立され民間企業との取り組みにも積極的に関わられている山峰潤也さんに美術と資本との関係についてお話を頂きます。アートと資本は本質的には切っても切り離せないものですが、資本と迎合しないことがいいものという意識が日本の美術界にはまだ根強くあります。山峰さんが考えるこれからの関係について現在の課題も含めお話を伺います。

山峰潤也(キュレーター/株式会社NYAW代表取締役/一般財団法人東京アートアクセラレーション)

Photo by 松岡一哲

1983年生まれ。東京都写真美術館、金沢21世紀美術館、水戸芸術館現代美術センターにて、学芸員として勤務。「恵比寿映像祭(第4回-7回)」(東京都写真美術館/2011-15)「ハロー・ワールド ポスト・ヒューマン時代に向けて」「霧の抵抗 中谷芙二子」(水戸芸術館/2018)、「世界不隨人類生滅 The world began without the human race and it will end without it.」(台湾国立美術館/2021)など、国内外でキュレーション。また六本木のアートコンプレックスANB Tokyoを運営する一般財団法人東京アートアクセラレーション共同代表、avex主催のMeet Your Art Festivalのアートプロデューサーを務める。これまでにテレビ朝日「アルスくんとテクネちゃん」監修、「KAWS TOKYO FIRST」日本側監修、文化庁アートプラットフォーム事業、文化庁文化経済戦略事業、文化庁メディア芸術祭などに携わるほか、執筆・講演など多数。2015年度文科省学芸員等在外派遣研修員、早稲田大学/東京工芸大学非常勤講師、アートコレクティブTokyo Photographic Research副代表、日本美術オーラル・ヒストリー・アーカイヴ・メンバー、<AERA&朝日新聞> 21世紀をつくるニッポン人名鑑掲載。


第8回 2023.1.24(火)
身体・セクシュアリティー・ジェンダーと表現

百瀬文さんは主に映像を中心に他者とのコミュニケーションをテーマに作品を多く手掛けているアーティストです。最近は身体・セクシュアリティ・ジェンダーに向ける視点を追究されています。近年のフェミニズムやコロナ渦から更に向き合うようになった自身の身体性についてなどご自身の生活様式も含めてお話を伺います。

百瀬文(アーティスト)

映像によって映像の構造を再考させる自己言及的な方法論を用いながら、他者とのコミュニケーションの複層性を扱う。主な個展に「I.C.A.N.S.E.E.Y.O.U」(EFAG EastFactoryArtGallery、2020年)、主なグループ展に「フェミニズムズ/FEMINISMS」(金沢21世紀美術館、2021年)、「六本木クロッシング2016展:僕の身体、あなたの声」(森美術館、2016年)など。近年は、ACCの助成を受けてニューヨークで滞在制作を行ったほか、イム・フンスンと共同制作した『交換日記』が全州国際映画祭に正式招待されるなど、国内外で活動を行う。主な作品収蔵先に、東京都現代美術館、愛知県美術館などがある。


第9回 2023.2.7(火)
新たなマーケットと新たなコミュニティの可能性

給与生活をしながら有力コレクターとなった草分けであり、現在は横浜美術大学で教鞭をとる宮津大輔さんに、アートマーケットの動向と乱立するアートプロジェクトの生き残り策の関係を教授してもらいます。NFT(非代替性トークン)等、アートに関わる新たな市場とアートコミュニティの未来も展望します。

宮津大輔(アート・コレクター/横浜美術大学教授 / 森美術館 理事)

1963年東京都出身。広告代理店、上場企業の広報・人事管理職を経て大学教授に転身。横浜美術大学第三代学長として改革を推進し、コロナ禍におけるV字回復を達成。また、既存の芸術祭とは異なる「紀南アートウィーク2021」の芸術監督として、斯界に新風を吹き込む。他方、世界的な現代アートのコレクターとしても知られ、台北當代藝術館(台湾・台北)での大規模なコレクション展(2011 年)や、笠間日動美術館とのユニークなコラボレーション展(2019年)などが大きな話題となった。
文化庁「現代美術の海外発信に関する検討会議」委員や「Asian Art Award 2017」「亞洲新星獎 2019」の審査員等を歴任。『新型コロナはアートをどう変えるか』『アート×テクノロジーの時代』(以上、光文社新書)『現代アート経済学Ⅱ-脱石油・AI・仮想通貨時代のアート』(ウェイツ)や『定年後の稼ぎ力』(日経BP)など著書や寄稿、講演多数。


第10回 2023.2.21(火)
インディーズの集合知を求めて

街中でのプロジェクト型アートを数多く世に送り出しているトモトシさんは、拠点となるアートスペース「TOMO都市美術館」を運営しています。ここに集まる多士済々な人たちといかに協業しているのか、その秘訣を教えてもらいます。さらに、インディペンダントなオルタナティブスペースを連携させる新たな試みも進行中だそうです。

トモトシ(インディペンデントアーティスト)

1983年山口県生まれ、東京都拠点。2007年に豊橋技術科学大学建設工学課程を卒業後10年にわたって建築設計・都市計画に携わる。2014年より映像インスタレーション作品を発表。「人の動きを変化させるアクション」をテーマに、都市空間を舞台として制作している。2020年より西荻窪にトモ都市美術館(現TOMO都市美術館)を企画運営。主な展覧会に「ミッシング・サン(芸術競技2021)」(代々木TOH、2021)、「ヘルニア都市」(トモ都市美術館、2020)、「有酸素ナンパ」(埼玉県立近代美術館、2019)、「あいちトリエンナーレ2019」(豊田市、2019) 、「tttv」(中央本線画廊、2018)がある。主な受賞に「デイリーポータルZ 新人賞2020」優秀賞、「イメージフォーラム・フェスティバル2019」観客賞、「WIRED CREATIVE HACK AWARD 2019」準グランプリがある。http://tomotosi.com/


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